ウクライナ国立オデーサ歌劇場オーケストラが来日し、横浜市中区の神奈川県民ホールで2日、演奏会を開いた。会場には県内で暮らすウクライナ避難民もかけつけ、ふるさとの音楽に耳を傾けた。
歌劇場があるウクライナのオデーサ市と横浜市は1965年、ともに戦火による焦土から復興したことなどを縁に、姉妹都市になった。
「知っているよ。地元でヨコハマという船によく乗ったからね」。オデーサで生まれ育ったビオラ奏者のイゴルさん(57)は笑った。
「横浜はゴージャスな港町。戦前のオデーサとそっくりなんだ」。みなとみらいの街を散策し、故郷に思いをはせた。「黒海の真珠」とも評される美しい港町だが、戦争が始まり、夜のきらびやかな光は消えた。
イゴルさんは5歳から人生の大半を音楽に捧げた。ロシアによる侵攻が始まると、自ら徴兵事務所に向かった。戦場に行きたかったが、視力が低く許可が下りなかったという。
「気を紛らわせてくれてありがとう」
兵士のために演奏しようと決…