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祖父を捜し、ペリリュー島での遺骨収集に2018年から参加している城戸利子さん。今月で16回目になるという=2025年5月1日、福岡市、榎本瑞希撮影
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 福岡市の幼稚園職員、城戸利子さん(54)は小学生のころ、祖母のツチさん(故人)が訪ねていく「ペリリュー」がどこにあるのか知らなかった。

 「ココナツを飲んだよ」

 「コウモリを食べたよ」

 お土産話から想像するのは、暖かい南の島。

 「そこにおじいちゃんがいるんだな」

 祖父の天野国臣さんは1944年4月、太平洋戦争の激戦地・パラオのペリリュー島に赴任。「第14師団戦車隊」の隊長として、9月15日に上陸した米軍を迎え撃った。死亡したのは翌16日とされる。34歳だった。

 43年に生まれた父靖臣さん(81)は、国臣さんに会ったことがない。戦後、3人の娘たちの前では父への思いを口にしてこなかったが、2016年に日本遺族会の慰霊巡拝で初めて現地を訪問した。

 前年に当時の天皇、皇后両陛下が慰霊に訪れた。この頃、テレビのドキュメンタリーで、一家は祖父の戦車が煙を上げている米軍の記録映像を見た。

 「一度は行きたい」。父に求められて、利子さんも同行した。それが転機となった。

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