災害から文化財をどう守るべきか――。地震などが多発する日本、トルコ両国が、その方法を一緒に考える交流プロジェクトを進めている。今月、トルコから専門家たちが来日し、26日には奈良・法隆寺を訪れ、76年前の火災で色彩を失った焼損壁画を見学した。
プロジェクトのきっかけは、2023年2月6日にトルコ南東部で起きた大地震だった。日本の国立文化財機構文化財防災センターは23年度、被災した文化財や博物館などの復興を支援する国際貢献の一環として、保存科学の専門家らを被災地に派遣。文化財の現状を視察して、現地の担当者とも交流した。
今年度はトルコ側の専門家を日本に招き、国内の被災地を視察し、日本での文化遺産防災の取り組みについて知ってもらうことになった。
来日したのは、トルコ文化観光省文化財博物館総局のセルカン・ゲデュック博物館部長(43)をはじめ、被災地の博物館長7人と保存修復研究所の修理専門家2人の計10人。今月24日に神戸に到着し、阪神・淡路大震災の被災地を訪れた。
「文化財防火デー」にあたる26日は、法隆寺で実施された防火訓練などを見学した。
- 「文化財、次代へ」誓う 奈良・法隆寺で焼損壁画の法要と防火訓練
伝える姿勢に共感
法隆寺金堂内には1300年…