10日、茨城県常総市に甚大な浸水被害をもたらした豪雨水害(常総水害)から10年を迎えた。多くの住民が逃げ場を失ったことを教訓に災害への備えは一定程度進んだが、道半ばの課題もある。節目を迎えたこの日、関係者らは犠牲者に哀悼の意を捧げ、さらなる取り組みの強化を誓った。
この日は10年前に鬼怒川の堤防が決壊した常総市三坂町の現場で、神達岳志市長や国土交通省下館河川事務所長、地元の自治区長らが集い、献花と黙禱(もくとう)で災害関連死を含む犠牲者15人の鎮魂を祈った。決壊時刻の午後0時50分には、防災行政無線を通じて「水害の教訓を未来につなげ、災害に強い街づくりを進めよう」との市長メッセージが市内に流れた。
市域の3分の1が浸水し、5千棟以上の家屋が全半壊した常総水害の後も、九州北部豪雨(2017年)、西日本豪雨(18年)、県内でも2人が死亡し、1人が行方不明になった台風19号(19年)など、この10年間、各地で水害が相次ぐ。国は、流域全体で災害に備える「流域治水」への転換を図り、取り組みを進める。
常総市を含む鬼怒川・小貝川流域では堤防整備などハード対策とともに、自治体同士の連携などソフト面の充実にも力を入れてきた。
広がる「マイ・タイムライン」
住民一人ひとりが自宅周辺の…