能登半島地震での自衛隊の災害派遣が8月末で終了した。震災の派遣期間としては過去最長となる8カ月間に及んだ。そんな中、石川県の馳浩知事が唱えてきたのが防災対応に特化した「防災省」の設置だ。「災害対応は自衛隊の本来業務ではない」とも主張する。
「被災者の救出・救助及び、地元市町などへの支援活動にかかる引き継ぎが完了し、所期の目的を達成した」
終了を前にした8月30日、知事は県庁で陸自第10師団(名古屋市)の副師団長に対し、撤収の理由を説明。「県民を代表して御礼申し上げる。心から感謝する」と何度も頭を下げた。
統合幕僚監部によると、今回の地震で、陸海空を合わせてのべ約114万人が災害派遣に関する業務に従事し、同約40万人が現地で活動した。
当初は道路の修復のほか、各地で発生した孤立集落に隊員が徒歩で物資をかついで山谷を分け入った。その後、インフラが復旧するなどして、各市町で撤収して、縮小する中、一部断水が現在も続く珠洲市を最後に、入浴支援を続けた。
国内での災害対応は、自衛隊が多くの分野を担っている。政府では内閣府の防災担当が窓口だ。一方、近年、豪雨を含めた自然災害が増えるなど、将来の巨大災害に備えた、災害対応に特化した組織の創設を求める議論が出ている。それが防災省だ。
馳知事も「防災省はあった方…