きっかけは2021年11月、SNS上で「働く女性応援よくばりハンドブック」が炎上したことだった。
働く女性の支援制度などを紹介する冊子で、広島県が14年に発行し翌年にこの名称に改訂した。
「ワーキングママの心構え 同僚・周囲への感謝と配慮を忘れずに!」という項目は特に批判をあつめ、表紙には「仕事も暮らしも。欲張りなライフスタイルの実現のために」との副題もあった。
「仕事と家庭の両立はよくばりなのか」と女性らの怒りを買った。
今回の参院選で、ジェンダー政策に特化した候補者アンケートをする市民グループの動きが、全国11県に広がっています。その背景と経緯を追いました。
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広島市でブックカフェを営む安彦(あびこ)恵里香さん(46)は、SNSでこの騒ぎを知り、ハンドブックの内容に加えてもう一つ違和感を覚えた。
「改訂から6年間、だれもおかしいと声を上げなかった。広島のジェンダー観をアップデートする必要がある」
妊娠報告したら昇進取り消しに
その1年半前、自身のカフェ…