無料マネーセミナーの参加者に後で特定の生命保険会社の商品を勧誘するという販売手法について、生命保険協会の永島英器会長(明治安田生命保険社長)は13日、協会が作成するガイドラインの中で具体例を示し、各社に改善を促す考えを明らかにした。
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この問題では、資産運用の方法を解説するといった無料セミナーに参加した人が、後日の個別相談で特定の生保を勧められ、トラブルになっている。セミナーの講師役を保険代理店の社員が務め、開催費は生保会社が負担している例があり、顧客の適切な保険選びをゆがめる恐れがある。
金融庁は5月に公表した監督指針の改正案で、代理店への過度な便宜供与を事実上、規制する方針を示した。永島氏は13日の定例会見で「代理店が負担すべき費用を保険会社が負担すれば(代理店への)過度な便宜供与にあたりうる」と問題視した。
保険会社が「協賛金」などの名目でセミナーの費用を一部負担することについても、「顧客の商品選択をゆがめるかどうかというプリンシプル(原則)にのっとって判断されるべきだ」と述べ、対策が必要との考えを示した。
協会は監督指針の改正案を踏まえ、ガイドラインを作成中で、各社に自主規制を求める方向で検討している。永島氏は「類型や具体例を示し、実務的な判断の参考になるものを作成している。各社に資するものにしたい」と語った。