医療機器メーカー「ニューベイシブジャパン」(東京都中央区)の営業担当者らが医療機関で手術に立ち会い、無資格でX線装置を操作していた問題で、医療機器業界の自主規制機関「医療機器業公正取引協議会(公取協)」は、ニューベイシブジャパンが医師に対し、X線装置を操作するという労務を提供して便宜を図った疑いがあるとして、調査を始めることを決めた。
- 手術中、無資格でX線照射 医療メーカー社員、営業目的で医師手伝う
医療機関で使われる機器は保険料や税金などでまかなわれる。機器の選択がゆがめられないよう、メーカーから医師への金銭や労務の提供は、景品表示法に基づく規約で禁じられている。違反すると再発防止策を取るよう警告され、社名公表などの処分もある。公取協はこの規約を運用し、メーカーを調査・指導している。
医療機器メーカーの営業担当者が手術室で医師の手伝いをすることは「立ち会い」と呼ばれ、規約で厳しく制限される。自社の医療機器の説明や不具合確認などで手術室に立ち入ることは許されているが、他社製品の操作などは規約違反にあたる。
今回、ニューベイシブ社の営業担当者が操作していたX線機器は、同社の製品でなく、公取協は規約違反にあたると判断したという。同社側からの聞き取りなどを進める方針だ。