田んぼの雑草や害虫を食べてくれるアイガモたち=2024年6月20日、和歌山県橋本市恋野、大野博撮影

 お米が急激に値上がりするなかで、本来なら高価なはずの無農薬米の方がむしろ安いというケースが出ている。農家が固定客に直接売る形が多く「ずっと買ってくれた人たち」とのつながりがあるためだ。無農薬米は手間がかかるだけに、買う側には喜びも戸惑いもあるようだ。

 玄米5キロ3千円。「ふくおか合鴨(あいがも)水稲会」の中島秀虎(ひでとら)さん(65)がアイガモ農法で育てた無農薬米だ。別の農法で育てた白米5キロ2600円の減農薬米もある。これらは量が限られるため、昔からの固定客にしか売っていない。

 「もうずーっと、この値段。米が安い時から買ってくれた今のお客さんが大事やけんね」

 近くのスーパーでは1年前まで2千円前後だった白米5キロが、いまは4千円を超す。

「上げんといいとですか」

 買いにくる固定客から値段を…

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