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住宅の焼け跡から危険なものを除去する作業員=2025年2月4日午後2時52分、ロサンゼルス北部アルタデナ、奈良部健撮影

 米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で大規模な被害をもたらした山火事で、被災者の苦境が続いている。7日で発生から1カ月。住む家の確保など中長期での支援が必要になっている。

 焼けてむき出しになった薄茶色の山肌が背景に広がるロサンゼルス北部アルタデナ。焼失した住宅のがれきが山積みになった地域を歩くと、鼻をつく焦げた臭いがわずかに残っていた。

 見かけるのは白い防護服を着た作業員ばかり。爆発の恐れのある電気自動車のバッテリーや農薬を撤去していた。現場監督のジュード・レイモンドさんは記者に携帯の地図を見せながら「広大な範囲を一軒ずつやっている。いつ終わるかはわからない」と語った。

 州消防当局によると、今回の山火事は鎮圧までに3週間以上かかった。亡くなったのは、少なくとも29人。14人が行方不明のままだ。被害の大きかったアルタデナと北西部パシフィック・パリセーズの2地域では、1万6200棟以上が全焼した。計約150平方キロメートルの焼失面積は、東京ドーム3千個分以上に及ぶ。

「記憶、薄れそうで怖い」

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住宅の焼け跡から見つかった陶器=2025年2月4日午後2時5分、ロサンゼルス北部アルタデナ、奈良部健撮影

 がれきを素手でえりわけていたキャサリン・ダニエルさん(58)は、持って逃げることができたのはペットの犬だけだったという。

 おじからもらった陶器を見つ…

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