歌舞伎役者の十代目松本幸四郎さんらを招いた「前橋歌舞伎舞踊公演」が27日、前橋市の昌賢学園まえばしホールで開かれた。1945年8月の前橋空襲から2カ月後、焼け野原となった街に復興の灯をともそうと七代目松本幸四郎さんが舞った「橋弁慶」を、80年の時を経て前橋で再び演じた。

橋弁慶を演じる松本幸四郎さん(左)と市川染五郎さん=2025年7月27日午後5時30分、前橋市の昌賢学園まえばしホール、中村真理撮影

 武蔵坊弁慶役の十代目幸四郎さん、牛若丸役の市川染五郎さんが舞台に登場すると、満員の観客席は大歓声に包まれた。その後のトークセッションで、幸四郎さんは「曽祖父からのご縁で、あの時の橋弁慶をせがれと演じられた。大切な大切な宝物ができ、大切な大切な場所となった」。染五郎さんも「魂、時空を超えて、この舞台に立たせて頂いているような感覚になった」と振り返った。

(左から)市川染五郎さん、松本幸四郎さん、小川晶前橋市長、手島仁さんによるトークセッションも行われた=2025年7月27日午後6時40分、前橋市の昌賢学園まえばしホール、中村真理撮影

 市が64年に発行した「戦災…

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