今月6日に開幕した第69回熊本県吹奏楽コンクール(県吹奏楽連盟、県高等学校文化連盟吹奏楽専門部、朝日新聞社主催)は、23日から県立劇場(熊本市中央区大江2丁目)で高校部門が始まった。九州大会に出場する県代表は、小学生バンドフェスティバルステージ部門と高校が29日に、中学校が30日に決まる。ブラバンの熱い夏――。小学生から社会人まで参加するこのコンクールに、「先生」と部員32人が顔合わせしてから49日で本番を迎えた団体がある。2年ぶりに大学部門に出場した熊本県立大の吹奏楽部だ。
「ちょー楽しかったです」。6日、大学部門の一番手で演奏を終え、ある1年生部員は満面の笑みを浮かべた。担当は大太鼓。9日前の練習で先生から「もっと強くたたいていい」と言われた。その大太鼓を県立劇場のホールに響きわたらせた。
先生は、熊本マリスト学園校長の光永幸生さん(61)。前任の指揮者から頼まれ、急きょ引き継ぐことを決めたのは5月半ばだった。長年、高校で吹奏楽部を指導したが、コンクールで指揮棒を振るとなると13年ぶり。校長の仕事も忙しかったが、学生たちの「うまくなりたい」という熱意におされた。
昨年のコンクール、県立大は…