福島第一原発3号機の前で、建屋間のすき間を埋める工事について説明する東京電力の担当者=2025年1月24日、福島県大熊町、相場郁朗撮影

 東京電力福島第一原発3号機の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の大規模な取り出しについて、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)は29日、2030年代前半としていた作業の開始時期が37年以降にずれこむ見通しになったと発表した。工法を検討した結果、準備に12~15年程度かかるためという。国や東電がめざす51年までの廃炉完了が遅れるおそれもある。

 廃炉の進め方に技術的な助言をするNDFの山名元(はじむ)理事長らが記者会見して明らかにした。

メルトダウンした880トン、採取はまだ0.9グラム

 11年3月の事故で1~3号機は炉心溶融(メルトダウン)した。デブリは3基の原子炉内に推計880トンあり、取り出しは廃炉の最難関とされる。昨年11月と今年4月に2号機で試験的に採取したが、約0.9グラムにとどまる。

 東電は3号機で本格的なデブ…

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