人々を笑わせ、考えさせた研究に贈られるイグ・ノーベル賞の授賞式が18日(日本時間19日)に開かれ、日本からは農業・食品産業技術総合研究機構の研究員らのチームが生物学賞を受けた。
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このほかに九つの研究が受賞した。業績や受賞者のコメントを、前編に続けて紹介する。
平和賞「アルコールを飲むと外国語で話す能力が高まることがあると実証」
独フライブルク大学のフリッツ・レナー博士ら
オランダ語を勉強している学生50人で実験し、「お酒が入ると外国語がうまく話せるようになる」という俗説の真偽を確かめた。
ウォッカのカクテルを少し飲んでから「動物実験の是非」をテーマにオランダ語で2分間議論してもらい、水を飲んだだけの人と比べた。
酔うと自分への評価が甘くなるので上手に話せた気になるだけ、という仮説を立てて実験にのぞんだが、結果は違っていた。
酔った人は、自己評価の平均では水を飲んだ人とほぼ同じだった。一方で、議論の音声をオランダ語が母語の人に聞いてもらうと、酔った人のほうがずっと高い評価をもらえた。
酔って気が大きくなったのではなく、実際にうまく話せていたという結果だ。とくに発音での評価が際立って高くなっていた。
この結果はレナーさんらにとって「驚きであり、不可解でもあった」という。推測だと断りつつ、「アルコールでリラックスできたことで、自信を持って話せた結果かもしれない」と取材に説明した。
レナーさんはまた、根拠なく信じられている話を科学で検証したことに研究の価値があると指摘した。
「誤情報や『フェイクニュース』が広まり、意見と事実を見分けるのが難しい現代において、称賛に値する」
https://doi.org/10.1177/0269881117735687
航空賞「アルコール摂取がコウモリの飛行能力とエコーロケーション能力を損なうことがあるかどうか研究」
南米コロンビア・リャノス大…