高校球児の熱戦が続く阪神甲子園球場。今年8月1日で誕生から100年を迎えたこの球場をめぐる忘れられない思い出が、SNSで読者とつながる「#ニュース4U」取材班に寄せられました。2人のエピソードを紹介します。(原晟也)
「歓声と熱気。何とも言えへん空気感」
大阪府大東市の小林正光さん(59)の記憶に残る最初の甲子園の思い出は、小学6年の夏のことだ。
1人で阪神電車に乗り、高校野球を見に行った。満員の外野席の階段にちょこんと座った。
「球場の大きさとお客さんの多さ。球場全体から沸き上がる歓声と熱気。何とも言えへん空気感に圧倒された」
父親は巨人ファン。いつもテレビで試合中継を見ていた。阪神―巨人戦のチケットを往復はがきで申し込み、当選すれば甲子園に連れて行ってくれるのが楽しみだった。
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あの日の後悔、今も
「おやじのことを思い出すのは甲子園ですわ」
甲子園に向かう阪神電車で父親がスリの被害にあったことがある。「お父さん、スリ!」。扉が開いた瞬間に捕まえて、甲子園署に引き渡した。
署員に調書を取られ、試合開…