自主制作映画「米寿の伝言」の宣伝チラシを配る西本浩子さん=2025年4月13日、東京・池袋シネマ・ロサ、田井良洋撮影

 ずっと役者になりたかった父の夢をかなえてあげたい――。埼玉県和光市の西本浩子さん(58)は、父主演の映画「米寿の伝言」を自主制作で完成させた。念願の劇場上映が10日から東京・池袋で始まる。

 西本さんはまったくの素人ながら裏方のプロデューサー役を担い、演劇の道を歩む息子2人の手も借りて実現した。「いくつになっても夢を見たっていいじゃない。そんなメッセージが、たくさんの人に届いたらうれしいです」と笑顔で語る。

 まもなく88歳の父・匡克(まさかつ)さん。戦時中は大阪の生家が空襲で焼かれ、のちに弟を不慮の事故で亡くす。演劇の世界に生きる喜びを見つけ、俳優をめざすが家庭の事情で断念。高校の国語教師などをへて70代でリタイア生活に入った。

 コロナ下の3年前、ふさぎが…

共有
Exit mobile version