(11日、第107回全国高校野球選手権香川大会1回戦 丸亀城西8―0高松桜井=7回コールド)
三回裏2死満塁、高松桜井はピンチを迎えていた。相手の適時打で三塁走者に生還を許したものの、続いて突っ込んできた二塁走者は、捕手の杉本遼介主将(3年)が本塁で食い止め、追加点を許さなかった。
「味方がいい球を投げてくれた。止めなきゃいけんと思いました」
父の和彦さん(49)は三本松高校時代に甲子園に出場した元高校球児。「僕も甲子園に行きたい」。父の背中を追いかけ、小学2年生から野球を始めた。
野球で悩んだときはいつも和彦さんに相談をした。打撃のことも、主将としての振る舞いのことも――。いつも的確なアドバイスをくれる和彦さん。「野球のことなら父。感謝しかないです」。この試合の前日にも「悔いのないようにな」と声をかけられた。
試合は、丸亀城西の猛攻に耐えきれず、7回コールド負け。3打席無安打に終わったものの、全打席、フルスイングで臨んだ。「みんなともっと野球をしたかった。でも、やりきった気持ちもあります」。表情は晴れやかだった。