いま安心して出産ができる周産期医療が揺らいでいる。全国で進む少子化は、三重県にとっても大きな課題だが、分娩(ぶんべん)施設がない自治体は県内29市町のうち19ある。こうしたお産の「空白地帯」が生じる背景に何があるのか。
今月13日、津市の産婦人科診療所セントローズクリニック。愛知県一宮市の加藤美穂さん(31)は里帰り出産で男の子を産んだ。生後6日目のわが子をさすったり、優しく語りかけたり。加藤さんの父も前身の紀平病院で生まれたといい、「私もここで安心して産めました」と笑顔を見せた。
津市には低リスクの分娩を扱う診療所が二つあり、セントローズクリニックはその一つ。市内で最多の分娩を担うが、閉院の危機に陥った。2024年の分娩数は540件で、6年前の929件から急減。またコロナ禍もあり経営は悪化し、医師の高齢化も重なった。
高齢化に離職…閉院の危機で事業を譲渡
「お産難民を出すわけにはい…