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金型の展示会での牧野フライス製作所のブース=2025年4月16日、東京都江東区の東京ビッグサイト

 牧野フライス製作所は9日、同社への株式公開買い付け(TOB)をニデックが撤回したことに関連し、初期的な買収提案を牧野側に提示していた複数のファンドとの交渉を継続する方針を発表した。「企業価値や株主の利益の最大化に向けた取り組みを引き続き進める」としている。

 昨年末のニデックによるTOBの表明後、牧野側はホワイトナイト(友好的な買収者)の候補を探し、これに応じた複数のファンドと交渉を行っていた。ホワイトナイトによる競合提案が仕上がるまでに時間的な余裕が必要だとし、約1カ月のTOBの延期を求めていたが、ニデックが拒否したために対抗措置を発動。東京地裁も正当性を認め、ニデックによる差し止めの仮処分申請を却下していた。

 ニデックは9日、TOBの撤回届を関東財務局に提出。牧野側はこれを受け、対抗措置の廃止を決めた。牧野フライスの株価は同日午前の終値で、前日終値より16%超安い9230円をつけている。

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