2024年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)1次速報は、物価変動の影響をのぞいた実質で直前の四半期より0.8%増え、2四半期ぶりのプラス成長となった。この状態が1年続いた場合の年率換算は3.1%増。認証不正問題があった自動車の出荷停止が解除された影響が大きく、消費や投資が上向いた。
内閣府が15日に発表した。GDPの内訳で5割超を占める個人消費は1.0%増で、5四半期ぶりにプラスに転じた。設備投資も0.9%増え、2四半期ぶりのプラス。輸出も1.4%増えた。ダイハツ工業などが認証不正によって止めていた出荷を再開し、売れ筋の車やトラックを買えるようになったことで、消費や投資が押し上げられた。公共投資も4.5%と大きく増え、経済回復を下支えした。
個人消費は直前の1~3月期までは減少が続き、リーマン・ショック時以来の停滞となっていた。車のほかに、衣服や外食も伸びたという。
一方、物価を反映した名目GDPは1.8%増え、年率換算した金額は607兆円となり、初めて600兆円を超えた。15年に自民党の安倍晋三政権が掲げた「名目GDP600兆円」の目標を達成したことになる。ただ、ウクライナ戦争などによる世界的な原材料高もあって、この2年間で物価高が進んだ影響が大きい。消費は振るわず、実質では伸び悩んでいる。(内藤尚志)
名目GDPが500兆円台に…