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東北・みやぎ復興マラソンで、工事が続く貞山運河の脇を駆け抜けるランナーたち=2018年10月14日午前9時41分、宮城県岩沼市、藤井詢也撮影

 市民マラソンが、岐路に立たされている。健康意識の高まりなどから人気は高いが、コロナ禍以降、地方の大会などで定員割れが相次ぐ。物価高を背景に大会運営の厳しさが増し、参加費の値上げもランナーの参加を足踏みさせている。

 雄大な北アルプスの眺望を楽しみながら、国宝・松本城の城下町を駆け抜ける「松本マラソン」。長野県松本市などでつくる実行委員会は5月、今秋に予定していた大会の中止を発表した。過去の大会で大幅な赤字決算となり、それを取り繕うため、「不正な会計処理」をしていたことが明らかになったという。

 市によると、大会が始まった2017年には1万人強、19年には約8300人のエントリーがあった。コロナ禍が明け、3年ぶりに開いた22年は約5600人。物価高騰の中、大会を続けるためには、大幅な収入増と経費の圧縮が課題だった。

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松本マラソンのホームページ。大会の中止と共に「不正な会計処理」があったことも公表している

 だが、23年も4918人と定員の半数程度にとどまり、約1500万円の赤字となった。市職員らは「赤字決算はイメージ低下を招き、大会の継続に大きな影響を及ぼす」と懸念し、約74万円の黒字決算であるかのように装ったという。

 26年以降の大会については、運営スキームなどを総合的に検討し、決めるという。臥雲(がうん)義尚(よしなお)市長は記者会見で「大会運営にご協力いただいている皆様の信頼と期待を裏切る結果になったことに心からおわび申し上げます」と謝罪した。

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