特殊詐欺の被害金の振込先として、外国人名義の口座が悪用されるケースが増えている。警視庁が今年1~6月に認知した特殊詐欺事件で使われた外国人名義の口座は350超。口座売買が違法で、犯罪に使われることを知らない外国人も多いといい、同庁は「口座は絶対に売らないで」と呼びかけている。
7月中旬。都内の40代女性は、警察官を装った男から捜査協力を求める電話を受け、「紙幣番号を確認したい」などとして送金を依頼された。指定された口座の名義は、外国人とみられる名前だったが、計430万円を振り込んだ――。
警視庁が特殊詐欺事件として捜査したところ、この口座は事件とは無関係の外国人のものだった。外国人が不要になって手放した口座が、特殊詐欺グループに渡って「道具」として転用されたとみている。
こういったケースは、今年に…