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「どらまめ」について話す栄町黒大豆研究会の野村斗士夫会長(手前左)=2025年6月20日、町立安食小学校、小林誠一撮影(画像の一部を加工しています)
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 千葉県栄町特産の大粒黒大豆「どらまめ」を体系的に学ぶ授業が、町立安食(あじき)小学校で始まった。町の魅力を知って欲しいと、町教育委員会が3年生(約50人)を対象に初めて実施した。地元農家16人でつくる黒大豆研究会会長の野村斗士夫さん(56)が講師を務めている。

 「あのまめは何だ?」

 6月20日、安食小の体育館の大型スクリーンに、野村さん自作のクイズが映し出された。豆や葉の形、そして栄町での栽培の歴史などが次々に問われた。児童らは元気よく手をあげ、答えと理由を発表していた。

 「3年生が楽しく学べるように考えた」と野村さん。児童は「どうして黒いの?」「元の産地はどこ?」「なんで実が大きいの?」などと質問攻めにしていた。

 研究会や町によると、どらまめは「丹波黒」と呼ばれる黒大豆の高級品種で、町内では1998年から栽培が始まったとされる。粒が大きく、栄養が豊富。芳醇(ほうじゅん)なコクと独特の甘みがあり、夏場にぴったりの枝豆や、正月のお節料理で人気の煮豆をはじめ、スイーツなどの加工品も登場している。

 町教委や町では、どらまめについて、児童による収穫体験などは以前から行っている。これに加え、正しい知識や歴史を学ぶ「総合学習」として展開し、町の理解を深めてもらう狙いがある。

 どらまめの名称は、龍伝説が今も息づく町のイメージキャラクター「龍夢(ドラム)」にちなんで名付けられた。龍伝説は、7世紀の創建で、旧下総国で最古の現存寺院とされる龍角寺に伝わる。そして、利根川流域に広がる豊かな自然に恵まれた土地。そんな自慢できる歴史や地域性を知ってもらう。

 今後も学習の機会を設け、苗の移植などもしていく。

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