米首都ワシントンで2025年5月21日、イスラエル大使館員2人が射殺された事件現場で活動する警察官ら=ロイター

 米ワシントンのイスラエル大使館職員2人が銃撃を受けて死亡した事件から一夜明けた22日、犠牲者を追悼する声が相次いだ。

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 犠牲となった男性職員、ヤロン・リシンスキーさん(30)は、イスラエルの国立ヘブライ大で日本研究や国際政治を専攻し、日本にもゆかりがあった。

 同大のニシム・オトマズキン教授は取材に「優秀で、高い理想を持つ学生だった」と語る。在学中には日本の地方におけるアベノミクスについて論文を書いたり、大学のプログラムの一環で日本をテーマにした高校生向けの講師役を務めたりしたこともあったという。2020年には日本留学も決まっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大によりやむなく中止となったという。

 リシンスキーさんはドイツ出身で、10代のときにイスラエルに移住した。ユダヤ教徒の父親とキリスト教徒の母親のもとに生まれ、自身はキリスト教徒だった。「彼は、宗教(の違い)が戦争や対立につながるという考え方には反対だった」とオトマズキン氏。「外交官になり、イスラエルと日本などアジアの国々との関係を深めることが長年の夢だった」という。SNS「リンクトイン」には、「アラブの隣国との平和の輪を広げることが、イスラエルと中東地域全体の利益になる」とつづっていた。

 突然の悲報に、オトマズキン…

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