独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が検討しているドイツ国内の工場閉鎖など人員削減計画をめぐり、反発する労組側は2日、ドイツ全土でストライキを始めた。大手労組IGメタルによると国内9工場や金融子会社などで行う計画で、2018年以来の大規模なストになる見通しだ。
労組側によると、今回は警告的な意味合いで、各工場でのストは数時間の見通し。IGメタルの交渉責任者は2日の声明で「必要ならば、VWがこれまで経験した中で最も厳しい団体交渉になるだろう」と述べ、さらに本格的なストも視野に入れる姿勢を示した。
VWは9月、収益力低下などを理由にドイツの工場閉鎖の検討を表明。労組側は賃上げを求めているが、経営側は逆に賃下げを要求。労組側は賃上げ分の支払いの先送りなどを柱とする人件費抑制策の妥協案を示したが、経営側が拒否して、交渉は平行線だ。
次回の交渉は9日に予定されており、労組側はストで圧力をかけて妥協を促したい考えだ。