ドイツ南部ミュンヘンで13日午前、群衆に車が突っ込んだ。警察によると、子どもを含む30人が負傷し、重傷者も出ている。警察は車を運転していたアフガニスタン出身の24歳の男を拘束した。男はドイツへの亡命を希望していたという。
記者会見したバイエルン州のゼーダー州首相によると、男が意図的に襲撃した疑いがあるとみて調べている。
現場では大手労働組合のメンバーら約1500人によるデモ行進が行われていた。男の車は、デモの列の後方を走っていた警察車両を後ろから追い越し、スピードを上げてデモの列に突っ込んだという。警察官が男の車に一発発砲し、現場で取り押さえた。
独メディアによると、男は2016年にドイツに到着し、難民申請をしたが、却下された。ただ、警察によると、犯行時、有効な滞在許可証を所持していたという。
ショルツ首相は声明で「(容疑者は)罰せられなければならないし、国を去らなければならない」と非難し、有罪が確定すればアフガニスタンに強制送還されることになると強調した。ドイツでは外国出身者による事件が相次いでおり、23日の総選挙でも主要な争点になっている。
ミュンヘンでは14~16日に「ミュンヘン安全保障会議」が開かれ、各国から首脳や閣僚らが多数参加する予定で、警戒態勢が敷かれていた。今回の襲撃は、ミュンヘン安保会議とは関係ないとみられるという。