定年退職した独身の女性が職業欄を書くときに、「『主婦』で良いですよ」と言われたそうです。「面白い」と感じたその経験をつづり、「独身でも主婦。皆さんはどう思われますか」と問いかけた「ひととき」(朝日新聞くらし面)の投稿に、多くのお便りが寄せられました。一部を紹介します。
きっかけとなったのは4月4日の「ひととき」。
主婦なのか?(要旨)
面白いなと思うことがあった。
とある申込書に職業欄があり、4月からアルバイトを始めるので「アルバイト」と記入したところ、担当の若い男性が「『主婦』で良いんですよ」と言う。
結婚してないし、主婦はどうなんだ?と思った。自分は定年退職し、いわゆる無職の身である。その時、脳内がバババと展開し、あれ? 結婚しているしていないにかかわらず、家のことをしているって「主婦」または「主夫」では?と思ったのだ。
最近の投稿を見ると「年金受給者」「元〇〇」という肩書も。自分に置き換えると「元会社員」「求職中」。もしかしたら私も「主婦」なのか? 家事はしている。一人暮らしでも生活をしている。
独身でも主婦。皆さんはどう思われますか。
(川崎市 佐野ときえ 検討中 62歳)
共感、モヤモヤ、「肩書とは」……
「自分と同じ疑問を持っている人がいる!と楽しくなった」というのは兵庫県芦屋市の成田ひでみさん(66)。現役時代は何の迷いもなく職業欄に「会社員」と書いていて、定年退職直後は「無職」と書くことに一抹の寂しさも覚えた。かといって「配偶者はいるものの、『主婦』と名乗るほど家事のプロでもないですし」。
投書欄などで「元○○」の肩書を使っているのは、きっと現役時代に仕事に打ち込んだ証しなのだろうと想像する。
職業を「生活の糧を得るため…