縄がらみの手法で組み立てられる長刀鉾=2025年7月9日午前11時33分、京都市下京区、新井義顕撮影

 日本三大祭りの一つ、京都・祇園祭の前祭(さきまつり)・山鉾(やまほこ)巡行(17日)で先頭を進む長刀(なぎなた)鉾を組み立てる「鉾建て」が9日始まった。例年は10日に始めていたが、猛暑対策や技術継承などを目的に1日早めた。ほかの山鉾は例年通り、10日から順次組み立てられる。

 京都市中心部の四条通で朝から作業が始まった。鉾は屋根や車輪などからなる。釘を使わずに縄だけで木材を固定する「縄がらみ」という伝統技法で職人たちが組み立てていった。

 長刀鉾は今年、誕生800年にあたる。作業日を1日増やしたのは、猛暑の中、1日の作業時間を短くする狙いなどがあるという。京都市はこの日も猛暑日となった。長刀鉾保存会の岡本幸三さんは「これだけ暑くなってきた。安全第一です」と話す。

 組み立てられた鉾を試運転する「曳(ひ)き初(ぞ)め」は12日にある。

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