長野県中野市で警察官を含む4人が殺害された事件で、殺人罪などに問われた同市江部の農業青木政憲被告(34)の裁判員裁判の第2回公判が5日、長野地裁(坂田正史裁判長)であり、被告の両親が証人として出廷した。妄想を抱くようになった被告が猟銃を持つことに対する思いや、事件直後の被告との生々しいやりとりを証言した。
- 「ぼっち、きもい」と言われたと妄想し犯行 4人殺害公判で検察指摘
この日の公判で、検察側は母親に「大学進学後、被告が『ぼっち、きもいと周囲から言われている』とか『ネットいじめに遭っている』と発言している。銃の所持が危ないとは思わなかったのか」と質問した。
心の病は愛情で回復すると…
検察によると、被告は2019年までに計4丁の銃を所持。所持の許可申請やその後の更新も含めて計7回、精神科医の診断を受けたが「精神疾患なし」とされた。
母親は「銃を持つことに不安はあったが(精神科の)先生に診断を受けて所持がパスされたので、『やはりうちの息子は問題ない』と安心した」と話した。母親の後に出廷した父親も「所持は危険と考えていたが、医師の診断を受けるチャンスでもあると思った」などと証言した。
また母親は被告が銃を持ちたいと希望したことについて、「悩んでいる姿から、何かをやりたいという姿に変わった。家族は見守ることにした」などと述べた。
一連の被告の精神状態につい…