(11日、第107回全国高校野球選手権2回戦 日大三3―2豊橋中央)
豊橋中央のエース右腕、高橋大喜地(だいきち)が8回3失点で完投した。五回2死一、二塁のピンチは「気持ちがたかぶった」。
みけんにしわを寄せ、あごを突き出す。敬愛するアントニオ猪木さんの顔マネだ。高めの136キロ直球で二飛に切った。
ベンチ入りメンバー全員が愛知出身。捕手松井蓮太朗との幼なじみバッテリーで東邦や愛工大名電など県内の強豪を破り、春夏通じて初の甲子園出場をつかんだ。全国制覇経験のある日大三との一戦には、猪木さんの名言を胸に刻んだ。「出る前に負けること考える馬鹿がいるかよ!」
八回は4番打者に内角直球で挑んだが、「球威が足りなかった」。左翼席に決勝ソロを運ばれた。真剣勝負の122球を振り返り、涙ながらに言った。「みんなで楽しんで、お客さんを楽しませるプレーができた。それが誇りです」