国民民主党の玉木雄一郎代表が、政府が放出する備蓄米を「家畜のエサ」と発言したことが物議を醸している。玉木氏は問題がないとの認識を示すものの、他党やSNS上などでは「配慮がない」などの批判が出ている。
玉木氏は28日の衆院農林水産委員会で、備蓄米放出を進める小泉進次郎農水相に対し「あと1年たったら家畜のエサに出すようなもの」などと語った。保管期間を過ぎた米は飼料用米などとして売却している現状を指摘し、銘柄米を含めたコメ全体の値下げにつなげる必要性を訴えるものだったが、同委後、小泉氏は記者団に「放出のあり方に取り組んでいる時に、ちょっと残念だなと思う」と述べ、玉木氏に苦言を呈した。
玉木氏の発言に対しては、SNS上でも「言葉の選び方がひどい」「備蓄米を買う人をバカにしているのか」などとして、撤回を求める声が上がった。立憲民主党の野田佳彦代表も30日、「主食として本当に食べようという人がいる時、適切な表現ではないと思う。行き過ぎではないか」と指摘した。
玉木氏は問題ないとの認識も、榛葉幹事長は「誤解を生む発言」
玉木氏は29日に出演したBS11の番組で「『エサ米』はよく使う言葉で、(国会の)議事録にいっぱい出てくる」と説明。30日の党会合などでも「少し違う印象で受け取った方がいらっしゃる。丁寧に説明していきたい」と述べるなど、問題はないとの認識を示している。一方、榛葉賀津也幹事長は同日の会見で、玉木氏の表現は「誤解を生む発言」だったとして謝罪した。
朝日新聞の世論調査(5月17、18日実施)では、国民民主の支持率は4月の12%から8%に減少した。党内からは「代表が釈明をしても言い訳がましく聞こえ、逆効果になってしまっている」と、さらなる党勢へのダメージを懸念する声が出ている。