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インタビューで話す玉置玲央=倉田貴志撮影
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 1980年代の小劇場ブームを代表する作品の一つ「朝日のような夕日をつれて」。この夏、キャストの世代を一新して、10年ぶりに上演される。2014年版に続く出演となる俳優・玉置玲央と、作者で演出も務める鴻上尚史がこの名作について語り合った。

「朝日のような夕日をつれて」キャストの世代一新で再演

 ――玉置さんは今作に2度目の出演となります。新製品開発に奔走するおもちゃ会社の部長など、幾つかの役を演じます。

 玉置「個人として思い入れのある作品だったので、10年前は『まさか、やらせて頂けるとは』という思いでした。当時、座組みで最年少だったので、先輩方に食らいついていくのに必死で。各地をツアーした後、東京への凱旋(がいせん)公演もあって、やりきったという感じでした」

 ――「朝日」は、鴻上さんが劇団「第三舞台」の旗揚げのため、22歳の時に書いた戯曲です。冒頭とラスト、登場人物5人で群唱するセリフが印象的です。僕は「ひとり」だと言いつつ、「ひとりでは何もできない」と、すぐ打ち消すような言葉が続きます。

 鴻上「その当時、周りを見ていると、何かあったら飲んだり、慰めあったり。そういうのが、嫌でしょうがなかった。やっぱり、一人一人が強くならないと駄目だろうって。でも、やっぱり一人じゃ出来ることに限界があって。それぞれに立ち続けている人間同士が、手をつなぐことができたらいいのになあと、思っていたんだよね」

 玉置「一つ聞きたいことが―…

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