被災を乗り越え、インターハイ連覇へ向け調整する飯田高・山下由起選手=石川県珠洲市、土井良典撮影

 能登半島地震で壊滅的な被害を受けた石川県珠洲市の県立飯田高ウエイトリフティング部の選手が、4日の「全国高校総体 北部九州総体」(インターハイ)の重量挙げ男子89㌔級に出場する。ありがとうを強さに変えて――今大会のスローガンを体現すべく、昨夏に続く頂点を目指す。

 「こんなときにウェートなんかしていいのだろうか」

 山下由起選手(3年)は、元日の地震で市中心部にある自宅が一部壊れ、その晩は車中泊で過ごした。断水、停電、生活が戻る見通しが建たず、祖父らと金沢市に避難。体を満足に動かせたのは20日後で、練習をしながらも葛藤する日々が続いた。珠洲市の練習場が使えるようになったのは3月になってからだった。

 それでも、できることに集中…

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