Smiley face
写真・図版
6千年前の頭骨から顔を復元した縄文人=2015年、大阪府和泉市の府立弥生文化博物館

 現代日本人のゲノム(全遺伝情報)のうち「縄文人」に由来する成分が、いまの日本人の肥満に影響している可能性があると、大阪大や東京大、金沢大などの研究チームが英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。縄文系の割合が高い人ほど、BMI(体格指数)が上昇する傾向を確認した。

 現代日本人のゲノムは、縄文人に由来する縄文系に加え、大陸に由来する「東アジア系」と「北東アジア系」の3系統に大きく分けられる。

 研究チームは、約25万人分の現代日本人のゲノムと、いずれも古代の縄文人、北東アジア人、東アジア人ら計22人のゲノムのデータをもとに、日本国内の各地域にくらす現代人の祖先の由来を調べた。

 その結果、全体では現代日本人のゲノムのうち縄文系の割合は平均12.5%となった。地域別では近畿地方の9.8%から沖縄の26.1%まで差があった。

 さらに、現代人の個人における縄文系の割合と、体格や代謝、肝・腎機能、生殖系、血液、血圧、飲酒・喫煙歴などの80項目の健康データを突き合わせた。ほかの要因の影響を考慮して分析した結果、縄文系の割合が高い人ほど、BMIの数値が大きくなった。ほかの項目では統計上、明確な差が出なかった。

 また、縄文人から現代日本人…

共有