現場へ! カカオの希望をさがして②
ざくざく感のあるココアクッキーとビスケットを、チョコレートで包んだブラックサンダー。有楽製菓(本社・東京)の看板商品はひとつ35円ながら、児童労働を減らす対策がとられているカカオ原料が使われている。
きっかけは、創業2代目で現会長の河合伴治(71)が、NGO・ACEの白木朋子(50)から児童労働の実態を聞いたことだった。家の手伝いぐらいだと思っていたら、そうではなかった。「何とかしたい」と言い出し、3代目で社長の河合辰信(41)も動いた。
購買力があり交渉しやすいブラックサンダーから見直すことに。白羽の矢が立ったのが取締役の高橋通昭(60)だった。「欧州企業の取り組みは知っていたが、まさか低価格の自分たちの商品でできるとは思っていなかった」
児童労働に配慮した原料を使いたいと取引先に要請しても、時期尚早だと断られるばかり。社内では、児童労働が減る確認をどうするかで議論が続いた。高橋を支えた購買課の杉浦伸樹(40)は、認証制度や先行する海外企業の取り組みを調べる日が続いた。
同社は、2025年までにす…