【動画】鹿島港沖で漁船が転覆=飯野祐平撮影

漁船が沈没した海域で生存者の捜索をする漁船や海上保安庁の巡視船=2025年1月6日午前9時29分、茨城県の鹿島港沖、朝日新聞社ヘリから、恵原弘太郎撮影

 茨城県の沖合で巻き網漁船の第8大浜丸(80トン)が転覆し、2人が死亡、3人が行方不明になっている事故で、同船が所属する大津漁業協同組合(同県北茨城市)の鈴木徳穂組合長らが6日夕、救助された乗員らが上陸した千葉県銚子市内で会見を開き、「一日も早い行方不明者の発見に全力を挙げたい」と話した。

 漁協が事故を把握したのは同日午前2時過ぎ。坂本善則・専務理事の部下のもとに「大浜丸が事故を起こした」と連絡が来た。船は転覆し、船底が上を向いた状態だったといい、近くにいた船が乗員の救助にあたった。午前には20近くの船団が海保とともに行方不明者の捜索にあたり、午後も第8大浜丸と船団を組んでいた2隻が捜索を続けた。その後海が荒れ始め、夜間は海保が捜索にあたるという。

乗員は「ベテラン多い」

 鈴木組合長らによると事故当時、現場の海域は「ベタなぎ」だったという。20人の乗員のうち5人はインドネシア人の技能実習生だが、日本人乗員にはベテランも多かったといい、「(漁の指揮をとる)漁労長も優秀でミスは考えにくい」とも話した。

 現場の海域周辺には、昨年12月以降にイワシが南下してきており、漁協の船団はこれを狙って漁に出ていた。漁獲量が多すぎて船が転覆した可能性について問われると「イワシはここ最近増えてきているが、ものすごく大量に入ったというわけではない」と説明。ただ、これも含め事故の原因については「海保の調査結果を待ちたい」と繰り返した。

  • 「今日は魚が重いな」イワシ漁船転覆、現場で救助の漁師が感じた異変
  • 「網に魚が多く入り傾いた」 茨城沖で漁船転覆、2人死亡、3人不明

共有
Exit mobile version