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【動画】今夏で見納めになる高砂市野球場の「手書きのスコアボード」=兵庫県高砂市

 全国高校野球選手権兵庫大会が開かれている兵庫県高砂市の市野球場では、全国でも珍しい「手書きのスコアボード」がいまも使われている。

 近隣の高校の野球部員らが一枚ずつ、最後の夏にかける選手らの名前を書き上げる。半世紀にわたって球児の名前を刻んできたが、球場の改修のため今夏で見納めになる。

 大会期間中の13日、スコアボード裏にある幅1.5メートルほどの狭い通路では、県立加古川北高校の野球部員5人が無言でハケを走らせていた。

 先発メンバーが発表されると、石灰を混ぜた白色の水をハケで伸ばしながら、縦1.1メートル、横60センチの木製の黒板に選手らの名前を記していく。

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試合前にスコアボードの選手名を手書きする高校生=2025年7月13日、兵庫県高砂市、島脇健史撮影

 通路の所々にエアコンは置かれているが、猛暑で顔には汗がにじんでいた。

 厚見空龍(くりゅう)さん(1年)は「黒板いっぱいに元気よく書きました。その方が強そうだし、この夏が最後の3年生はしっかり名前が見えた方がうれしいかなって」。

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高砂市野球場に残る「手書きのスコアボード」=2025年7月13日、兵庫県高砂市、島脇健史撮影

 選手交代があると、部員たちは無線で指示を受ける。「代走!」と声が飛ぶと、急いで黒板を入れ替えた。

 「間違ってるぞ!」「そのまま守備につくぞ!」。試合後半は選手交代が多く、通路をせわしなく走り回る。

 黒板の文字は試合後に洗い流…

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