2019年6月、サンフランシスコで写真撮影に応じるカマラ・ハリス=ロイター

連載 カマラ・ハリスの実像4

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 高尚な理念を掲げて実現できない理想主義者ではなく、結果を出す「現実主義者」である――。それが、検事となったカマラ・ハリス副大統領が打ち出そうとしてきた自己像だった。

 ハリスが検事時代に掲げたのが「スマート・オン・クライム(犯罪に賢く対処する)」というスローガンだ。重犯罪には厳しく対処する一方、若い軽犯罪者には社会復帰を促す新たな刑事政策「バック・オン・トラック」を始めた。

 18~30歳の若者で、薬物関連の初犯の犯罪者を対象とした。薬物中毒の治療や職業訓練など、1年ほどの研修を受けた後に仕事に就くことを条件に、犯罪歴を記録から消す、というものだった。

 背景には、先進国で最多の刑…

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