通電や空気砲の実験道具と「なかじろう」こと中野和彦さん=三重県名張市美旗町南西原

 米村でんじろうさんといえば、ユニークな実験イベントやサイエンスショーで知られるサイエンスプロデューサー。実は三重県名張市の美旗地区にも、理科の実験を通して子どもたちの「アイドル」的な存在になっている男性がいる。その名も「なかじろう」さんだ。

 5月25日、美旗市民センター(美旗町南西原)の一室。MJクラブ(みはた児童育成クラブ)の小学生らの前に現れたのは、白衣姿の男性。カツラの両側に白髪代わりの綿を付けた風貌(ふうぼう)は、「鉄腕アトム」に登場するお茶の水博士か、「名探偵コナン」の阿笠(あがさ)博士のよう。化粧品のペンシルで描いたマユゲやハナゲ、ヒゲがコミカルだ。

 「今日のテーマは『重心を探そう』です」

 口々に話しかけてくる子どもたちと軽妙に会話をこなしながら、取り出したのは空き缶。そのままで斜めに傾けても立たないが、一定量の水を入れた後、子どもたちが再度挑戦すると、あら不思議。斜めに傾いたままで静止し、子どもたちが驚いた。小学6年の男児は「学校の理科はノートを取らないといけないから好きじゃないけど、なかじろうの実験はおもしろい」。

 「なかじろう」の本名は中野和彦さん(56)。地元出身で、伊賀市の食肉加工会社の営業部長だ。

食肉加工会社の営業部長がなぜ?

 地元では美旗まちづくり協議…

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