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滑空機部門で出場した「愛知総合工科高校専攻科 with T」。ティモンディの高岸宏行がパイロットに挑戦した=読売テレビ提供
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 手作りの機体に乗り込み、飛んだ距離を競う「鳥人間コンテスト2024」(読売テレビ制作)が9月4日夜7時、日本テレビ系全国ネットで放送される。46回目を迎えた夏の恒例番組は、近年のSNS発信で海外の視聴者が増加。日本の技術力が改めて注目を集めているという。今年は海外ゲストも会場を訪れ、今後の出場に意欲を見せた。世界で話題になりつつある大会をのぞいた。

 「3、2、1、ゴー!」。高さ10メートルのプラットホームを飛び立ち、琵琶湖の風に乗って機体が舞い上がる。いったん急降下した後、湖面すれすれで再び浮き上がり、颯爽(さっそう)と飛んでいく。時速約25キロ。パイロットがペダルをこいで湖面上を進んでいく機体を、チームのスタッフが祈るように見守っていた。

 大会は7月27、28日に滋賀県彦根市の琵琶湖・松原水泳場近辺で開かれた。2日間とも真夏の日差しが照りつけ、逆風が吹くこともしばしば。決してコンディションが良いとはいえない中、大学生や社会人らの計31チームが参加し、大空を舞った。

 パイロットが機体に搭載した自転車のペダルをこいでプロペラを回し、飛行する「人力プロペラ機部門」と、風の力を頼りにグライダー型の機体で滑空する「滑空機部門」の2部門で競う。翼もプロペラもコックピットも、全て手作り。その機体を人力で飛ばすパイロットは、大舞台に挑む五輪選手のようだ。

 限られた時間の中、最後の調整を行うスタッフたち。中には300万~500万円ほど費用がかかった機体もあるそう。番組の担当者は「若い人たちが真剣に機体と向き合う姿は、日本のものづくりの未来が集約されている」と言う。

 飛行機の製造技術のほか、番組の人気を下支えしているのが「人間ドラマ」だ。がんで亡くなった父に買ってもらった自転車でトレーニングに励んだり、色覚異常でパイロットの夢を諦めた学生が鳥人間で夢をかなえたり。人はなぜ飛ぶのかに着目して、鳥人間たちの涙や笑顔を映し、視聴者を引きつけてきた。

 今回、お笑いコンビ・ティモンディの高岸宏行が愛知総合工科高校専攻科とタッグを組み、パイロットとして滑空機部門に初挑戦。小柄な人が有利な鳥人間だが、高岸は体重94キロと一回り大きい。学生たちが知恵を絞り、強度な機体作りに挑んだ。幼いころから滋賀県民として番組を見てきたという高岸は「90キロ超えのパイロットは不可能と言われる中で、『やれば成長できる』という信念でチャレンジした」と話す。

 今大会は、海外のゲストも視察に訪れた。

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