建築的知性で温暖化などの地球規模の問題に挑み、それを造形で示す――。10日にイタリアで始まった、隔年開催の世界最大規模の建築展、ベネチア・ビエンナーレ国際建築展の第19回展は、そんな様相を呈している(11月23日まで)。
薄暗い部屋に足を踏み入れると、むせ返るような暑さ。多数のエアコンの室外機が回っているのだ。
同ビエンナーレは企画展示部門と国別参加部門に分かれているが、前者冒頭のこの展示に、その意図は明快。人間の活動で地球温暖化が進んでいることを、目と皮膚に直接訴えてくる。
今回、総合ディレクターを務めるのは、大阪・関西万博のフランス館に関わっているイタリア出身の建築家カルロ・ラッティさんで、全体のテーマに「Intelligens. Natural. Artificial. Collective.」を掲げる。「知性 自然知 人工知 集合知」といったところか。
「建築は古来、過酷な環境の…