現場へ! カカオの希望をさがして①
甘いチョコレートには苦い現実がある。日本に輸入されるカカオ豆の75%を生産する西アフリカ・ガーナでの児童労働の問題は、その筆頭だ。
カカオの生産地だけでも77万人の子どもが働いていると指摘されるなか、対策を講じて実績を出した地域を児童労働フリーゾーン(CLFZ)として認定する制度が始まった。もとになったのは、日本のNGOの成功体験だった。
NGOの名はACE(本部・東京)。ノーベル平和賞を受賞したインドのカイラシュ・サティヤルティが呼びかけた児童労働撤廃運動に、日本から参加した大学生たちが、1997年に立ち上げた。
その一人、副代表の白木朋子(50)。2008年からガーナへ通い、地元NGOと共に子どもたちを保護している。学用品や給食の支援も組み合わせ、これまで10村で622人の通学を実現してきた。だが、手の届く範囲には限りがある。「社会を動かす仕組みをつくれたら」
国際会議でガーナ雇用労働相のイグナチウス・アウワ(57)を見つけ、思いをぶつけた。それがきっかけで、デロイトトーマツコンサルティングも入る官民連携のCLFZのガイドラインづくりが始まった。
同じ頃、国際協力機構(JI…