お茶席で薄茶とともに供される干菓子(ひがし)。和三盆糖などを固めて作られるが、初めて口にした若者は「ちょっと甘すぎるなあ」と思った。この感想をヒントに、京都の大学生、染織の専門家、京菓子司の主人らが現代の干菓子を生みだした。名付けて「浮き寄せ」。2月4日から第2作、春を彩る「桜」を売るという。
発想の種は、いただきものの干菓子だった。賞味期限が迫っていた。
「もったいないから、いっぺんに食べ切ってしまおう」
そう思ったのは、京都市立芸術大学美術学部で彫刻を専攻する杉浦千咲さん(20)。
「でも、ちょっと甘すぎて、たくさん食べるのは難しいなと思ったんです」
この体験が新しい商品の誕生につながった。
昨年のこと。京都フィナンシ…