ひらひら、ゆらゆら。
内藤礼(1961年、広島市生まれ)の個展には、小さくささやかで、壊れやすそうなものたちがたくさん登場する。
日本・東洋の古美術の紹介で知られる東京・上野の東京国立博物館の3会場で展開する今展だが、天井の高い本館「特別5室」での第2会場が最も広い。37年に完成し、重要文化財でもある本館での、現存作家の個展は極めて珍しい。
内藤は、レトロなビルや現代美術館、水力発電所を再生させた美術館など、多様な空間をまるごと生かす展示を手掛けてきたが、その語彙(ごい)、つまり構成要素は意外と限られている。
今回も、テグスにガラスビー…