神奈川県教育委員会は13日、県立学校と、3政令指定市を除く市町村立学校で、児童や生徒の人格を否定する暴言などの不適切な指導が、昨年度に127件あったと発表した。体罰に至らなくても、教職員らが子どもの心を傷つける行為について初めて調査した。私語をやめない生徒に「目障り」と言うなど、授業中の指導に伴う不必要な一言が目立つという。
児童や生徒、保護者や教職員らにアンケートなどを実施し、寄せられた情報について各教委で調査した上で、127件を認定した。県立学校(高校、中等教育学校、特別支援学校)では23件、市町村立学校(小中学校、高校、特別支援学校)では104件あった。
授業中が多く、指示を聞かない生徒に対し黒板を平手でたたいて大声で怒鳴る、近くの台をける、といった高圧的な態度のほか、児童に「水泳はできるけど、かけ算はできないね」、「この薬品は頭のいい人しか使えないから、君たちは使えないね」などと言う例があった。
いずれも懲戒処分の対象ではないが、県教委では不適切指導の実例を各学校にフィードバックし、毎年の実態調査を続けることで、こうした指導を繰り返す教職員をなくしたいとしている。「子どもの心を傷つける行為は許されないということを徹底させたい」とする。
また、県教委は昨年度の体罰についてもまとめ、県立学校と市町村立学校合わせて前年度よりも3件多い16件あったと発表した。体罰は部活動中が多く、具体的には「マナー違反があったことに対する指導」として、気温30度を超える中、グラウンドを30分ほど走らせた事例などがあった。
【県教委に認定された教職員らの「不適切な指導」の例】(※県教委への取材による)
◇授業中、私語をやめない生徒…