公正取引委員会は6日、生成AI(人工知能)市場に関する初めての実態調査結果を公表した。現時点での競争は活発だとしつつ、他事業者からは米巨大IT企業に優位に進むことを懸念する声が上がっていると指摘。市場支配力が強まらないよう引き続き警戒するとした。

 公取委は生成AIの関連市場を、「インフラ」「モデル」「アプリケーション」の三層構造で捉える。市場の核となるのは基盤モデル。その開発にはGPU(画像処理装置)などの計算資源や学習データといったインフラが欠かせない。利用者には基盤モデルが組み込まれたアプリケーションの形でサービスが届く。

生成AI関連市場は3層構造になっている

 公取委は実態調査で、2024年10月~11月末に募集して寄せられた712の意見・情報と、国内外の事業者や海外当局者など50者へのヒアリング結果を分析。三層それぞれでの競争状況や阻害要因の把握に努めた。

 モデル開発に欠かせない学習データについては、「(誰でもアクセスできる)オープンなデータが枯渇している」との意見が寄せられた。生成AIは大量のデータを学習することで性能が上がるため、巨大ITは「SNSなどで新たなデータを取得できて強い」などの見方もあった。

 モデル開発では、オープンA…

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