電流を加えると光る「半導体レーザー」が16個集積されているチップ。1秒間にブルーレイ4枚分の信号が送れる=神奈川県厚木市のNTT厚木研究開発センタ

 デジタル化や生成AI(人工知能)の登場などにより、生じるデータ量が爆発的に増えている。それに伴いデータセンターの電力消費量も急増。世界的な問題となる中で注目されるのが「光電融合」と呼ばれる技術だ。データ処理に使う電気の一部を光に置き換えることで、消費電力を大幅に減らせると期待される。

 コンピューター内での演算や半導体チップ間のデータ伝送のような短距離通信には、電気が使われている。ただ、データ量が多くなると信号が減衰し、ロスが大きくなる。一方、光は多くのデータを電気よりも速く、遠くに飛ばせて、信号の減衰も少ない。

 そのため、扱うデータ量が増えるほど、サーバー内などのより短距離のデータ伝送に光を使った方が消費電力が少なくなる。

 これまで光は、主に光ファイバー回線を使った長距離通信を担ってきた。データ量が急増するなかで、短距離化に向けた技術開発が世界的なトレンドになっており、今ではデータセンターのサーバーが収納されているラック間の数メートル規模では、すでに光が使われている。

 通信大手NTTは2019年…

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