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新潟県田上町の佐野恒雄町長から諮問を受ける町いじめ問題再調査委員会の中川雅博委員長(左)=2024年8月26日、町役場、井上充昌撮影

 新潟県田上町立田上中学校で2020年、中1の男子生徒がいじめを受けた問題で、有識者による同町の第三者委員会「町いじめ問題再調査委員会」が26日、第1回会合を開いた。男子生徒の両親がいじめの動機解明などを求めており、佐野恒雄町長からの諮問を受けて同委員会が再調査を始めることが決まった。

 同委員会は弁護士や臨床心理士、社会福祉や精神保健の専門家ら計5人で構成される。委員長には弁護士の中川雅博氏が就いた。会合の冒頭、佐野町長が「町としてできることは対応すべきだと考えた。それぞれの立場から忌憚(きたん)のないご意見、ご指摘を頂きたい」とあいさつした。

 会合は冒頭以外は非公開で、終了後に中川委員長は「現時点では取材に応じられない」と話した。

 問題をめぐっては、男子生徒が1年の1学期ごろ、テストの点数が低いとして担任教諭が「お前はバカか」と怒鳴りつけたほか、同級生の男子が答案をのぞき込んで「点数低いね」と言うなどした。町教育委員会が調査委員会を設けて今年2月に報告書をまとめ、学校側の対応の遅れも指摘した。ただ、調査委は学校などの資料で事実確認できたとして加害者側への聞き取りをしなかった。男子生徒の父親は加害者側への聞き取りを求めており、「いじめの動機や学校の対応が遅れた原因を分析し、実効的な提言を期待する」と話した。(井上充昌)

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