(28日、プロ野球 東北楽天ゴールデンイーグルス2―5オリックス・バファローズ)

 昨秋の右ひじ手術から復活をかける今季初登板の先発マウンドは、5回で被安打6の4失点。楽天の田中将大は結果を静かに受けとめた。「悔しい結果になりましたね」

楽天の田中将大=27日、楽天モバイルパーク宮城

 四回、序盤から待球作戦をしかけたオリックス打線につかまった。先頭の森から3連打を浴びて塁が埋まり、犠飛で同点。さらに虚を突かれて勝ち越しスクイズを決められ、若月に適時打。3点を失い、逆転を許した。

 93球を投げ、奪った空振りは三つ。高低、左右を巧みに使い、ボールゾーンにも誘って打ち取るのが今のスタイルだが、日米通算198勝目はたぐり寄せられなかった。

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 試合後、この日の手応えを聞かれると目が泳いだ。しばしの間を置き、上方を見やって口を開いた。「うーん、こういう試合にしてしまってるんで結果が全てかな。ここで、ごちゃごちゃ言ってもしょうがない。自分が分かっていればいいかなと。はい、勘弁してください」

 チームが逆転での3位浮上をめざす状況での大役だったが、期待に応えられず、責任を背負い込んだ。「マウンドに上がったら、リハビリしてきて1年ぶりの登板だとか、それはもう関係ない。今日、こういう投球になってしまって、ゲームを落としてしまって、ほんと、悔しいです」

 マウンドでつり上がる鋭い目つきは依然変わらない。取り戻した闘争心が、復活への道を探り当てる原動力になる。(笠井正基)

「粘り強く投げられた」

 今江監督(楽) 田中将の復帰登板について「走者を出しても粘り強く投げられていたのかなと思います。四回はうまく相手に点をとられてしまった」。

 則本(楽) 抑えに転向して1年目で、セーブ王のタイトルが確定。「残り8試合をやるきるだけなんで。やりきってから思い返したい」

 青山投手コーチ(楽) 田中将の次回登板について「(今江)監督とこれから相談して、もう一回あるのかどうかというところは決めたい」。

オリックスが四回に逆転

オリックスが逆転勝ち。1点を追う四回、犠飛とスクイズなどで3点を奪った。今季初登板の楽天・田中将は5回4失点と試合をつくれず。

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