【動画】栃木県足利市の水田に並ぶ垂直設置型のソーラーパネル=友永翔大撮影

垂直ソーラーパネルの間を縫うように進む田植え機=2025年6月9日午前9時12分、栃木県足利市、ドローンで友永翔大撮影

 同じ農地で太陽光発電と農業を営む「ソーラーシェアリング」。栃木県足利市の水田では全国的に珍しい垂直型のソーラーパネルが設置され、米作りが進んでいる。

 水田を所有する同市のシェアリングファームが2024年5月に設置。秋には868キロと前年比95%の米を収穫した。

 パネルで発電した電力は丸紅新電力(東京都千代田区)に販売する契約を結んでいる。垂直型は広く普及している平置き型に比べ、農機具の高さを気にする必要がない。東西を向くパネルの両面を使い、電力需要の高い朝夕に発電できるという。

 シェアリングファームの赤坂太綺(たいき)取締役は「想像以上に収穫量への影響は少ない。建設コストを抑えられれば、もっと普及させたい」と話す。

 太陽光発電協会によると、垂直型の太陽光発電設備は15年ほど前から国内で見られるようになった。垂直に立てることで積雪の影響を受けにくく、雪面の反射光で発電できる利点もある。担当者は「積雪の多い地域を中心に、年率2、3割の規模で増えるのでは」と予想する。

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